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スペクトラロンとは

スペクトラロンはもともとはNISTによって提唱されたコーティング材で、反射率と拡散性に優れた性能を示します。使用可能な波長範 囲が広く、さらに耐久性に優れていることから、現在では、標準反射板としてもっとも広く用いられています。

スペクトラロンの物理特性

  • ● 有効波長域  :250~2500nm
  • ● 耐 熱 性  :350℃まで
  • ● 真空適合性  :10-6Torr
  • ● 耐熱性    :4J/cm2
  • ● 密 度    :1.25~1.5g/cm3

スペクトラロンの反射特性

● フラットな分光反射率特性

  スペクトラロンは紫外から可視、近赤外における分光反射が比較的フラットです。250nmから2500nmでの反射率の変動は5%以内ですが、360nmから760nmでの反射率の変動は0.5%以内です。

● 高反射率

  スペクトラロンは反射率が非常に高く、350nmから1600nmにおいて反射率は約99%あります。

スペクトラロンの拡散特性

スペクトラロンは拡散反射に優れています。図2は、スペクトラロン反射板の垂直方向より30度の角度でHe-Neレーザ(633nm)を入射したときのBRDFを示します。

反射面に対して水平方向の偏光成分はPPと表示し(ピンク)反射面に対して垂直方向の偏光成分はPSと表示(青)しています。測定角度±90°(立体角2π)においてほぼフラットな反射強度が得られ、拡散性が非常に良いことを表しています。

これはスペクトラロンが非常に多孔質であるため、表面だけでなく、スペクトラロン内部まで多重拡散反射を起こしているからだと考えられています。

耐久性

スペクトラロンは耐久性に優れています。化学的に不活性で更に疎水性にも優れていますので、水による洗浄が可能です。表面の損傷やひどい汚れは、研磨することで反射率・拡散性を復活できます。

NVLAP認定NIST準拠反射板

全ての標準反射板は米国NISTに準拠した校正データ(250nm~2500nm、1nm間隔)が付きます。

特注加工

スペクトラロンは機械加工が可能で、個々の用途にあったスペクトラロン製の積分球や特殊形状の拡散板、透過板を作成できます(図3)。レーザキャビティ用にも使われています。注文数が多くなればスペクトラフレクト積分球よりも安価にスペクトラロン積分球を提供できる場合があります。

▲図1:99%反射板の分光反射特性

▲図2:30°入射のBRDF

▲図3:特注加工例

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