ET-10は、赤外線サーモグラフィー測定機を校正するための入力パラメータである熱放射率を取得する装置です。本装置は、3.0~5.0μmと8.0~12.0μmの波長での指向性半球反射率を測定し、その値をもとにした、20°の入射角での指向性半球熱放射率を算出可能です。結果はタッチパネルの液晶ディスプレイに即座に表示されます。
・研究室から現場まで幅広いシーンで放射率の測定を簡便に実現
・3.0~5.0μmおよび8.0~12.0μmの波長帯域での測定
・サンプル加熱不要で、室温状態から熱放射率を測定
・起動90秒後に測定可能で測定間の待機は不要
・バッテリー駆動のコードレス設計
・全日射反射率の算出をわずか7秒にて実現
・タッチスクリーンで、容易に測定データの確認および管理
・校正作業はわずか1分
測定ヘッドは、内部光源、改良された積分球、および検出器から構成されています。反射率の測定は、光源からのコリメート光を試料に照射し、その反射光を積分球内で反射、拡散させて測定します。410シリーズ・リフレクトメータは、20°または60°の入射角において、試料表面の拡散反射を高精度に測定します。積分球は、試料からの反射光を閉じ込め、全方向から積算・平均化するために使用します。
分光フィルタを取り付けた検出器によって、波長帯域ごとに測定された反射光の強度は、アナログ信号として検出されます。410シリーズ・リフレクトメータの電子回路は、検出器からの信号に対して、初段増幅(固定ゲイン)、フィルタ処理、オフセット調整、二段増幅(可変ゲイン)、およびアナログ-デジタル変換といった一連の処理を行います。デジタル化された信号は、内蔵プロセッサによって読み取られ、メモリに保存されます。保存されたデータは、各入射角および各波長帯域における試料の反射率を算出するために用いられます。
さらにその反射率から、指向性熱放射率や全半球熱放射率といった熱物性値が導出されます。測定結果は、液晶タッチスクリーンにリアルタイムで表示されます。同時にSDカードへ自動保存されますので、データ管理も簡便です。
測定条件に合わせて、測定前に付属の標準反射板を使用して、ユーザ側にて簡便に校正を行うことができます。オプションでNIST準拠の鏡面ゴールド板を追加することも出来ます。
測定パラメータ | 指向性半球反射率(DHR) |
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測定方式 | 指定入射角における波長帯域内の全反射率の積分測定 |
測定値 | 絶対反射率 (0~1) |
算出値 | 指向性熱放射率(20°) |
波長帯域 | 3.0~5.0μm、8.0~12.0μm |
照射角 | 20° |
校正板 | 鏡面ゴールド板 |
測定精度 | +/- 0.03 |
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再現性 | +/- 0.005 units |
ビームスポット径 | 0.50インチ |
測定時間 | 7秒 |
サンプルサイズ、形状 | 平面:≥直径 0.5インチ 曲面: 凸型6インチ、凹型12インチ |
ウォームアップ時間 | 90 秒 |
連続測定時間間隔 | 2 秒 |
サンプル温度 | 室温または0~100℃に加熱/冷却 |
動作温度範囲 | 0~40℃ |
連続運転時間 | 充電式NiMHバッテリー(2時間稼働) |
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バッテリー充電時間 | 1時間 |
IR光源 | カンタルフィラメント(約1,000℃) |
保管温度 | -25 ~70°C |
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使用温度 | 0 ~40°C |
重量 | 4.7 lbs (2.1kg) |
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サイズ | H 11.54"、 L 9.04"、 W 3.27" (29.31 x 22.96 x 9.44 cm) |
制御用インタフェース | LCDグラフィックスクリーン、1/4 VGA, タッチスクリーン、 ソフトウェアボタン(ハンドルのトリガスイッチ) |
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検査用アプリケーション | ユーザ任意設定値における合否判定 |
診断機能 | 画面上にてステータスと信号をモニタ、 データと共にステータス信号を保存、 生データと保存と表示 |
データ形式 | 保存データはExcel、Textソフトにて展開可能 |
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データ保存 | SDカード(取り出し可能) |
輸出規制 | ECCN #3A999.F |
*本ページ内では、用語の日本語訳として下記のように表記しています。
Directional hemispherical reflectance (指向性半球反射率) Directional thermal emissivity(指向性熱放射率) hemispherical thermal emissivity(半球熱放射率)