SOC-100-HDRは、検出器に分光光度計Thermo Scientific™ Nicolet™ iS50 FT-IRを採用し、8～80°の入射角における偏光および拡散反射率の角度依存性を測定する半球方向反射計です。標準のFTIR光学系を用いた場合、スペクトル範囲は公称で 2.0〜25.0 μm（5000〜400 cm⁻¹）ですが、中赤外〜遠赤外光学系を用いることで、200 μm（50 cm⁻¹）まで拡張可能です。
通常、物質の拡散反射率の測定には積分球が使用されていますが、積分球を使用する場合、反射特性の制約により実用的な測定波長範囲は約14μmまでに制限されます。
これに対し、SOC-100 HDR は立体角2πをカバーする結像型半楕円鏡を用い、700°Cの黒体光源からの熱放射を試料に照射します。試料上部の可動式のミラーにより、試料表面からある角度へ放射された光を光速とし、FTIR へ導光します。
黒体光源からの光を、半楕円鏡を用いて試料に結像することにより、エネルギーのスループットが最大化され、遠赤外領域における偏光測定が可能となります。
校正済みの鏡面反射標準に対する相対値として測定されます。
さらに、SOC-100 HDR は平行光透過率および散乱透過率の測定機能も備えており、鏡面ビームブロッカーを使用することで、試料からの光の散乱を鏡面反射成分と拡散反射成分に分離することが可能です。
・8～80°における選択可能な12角度での平行偏光・垂直偏光・非偏光反射率の測定
・反射光の鏡面反射成分と拡散反射成分への分離測定
・0°入射における平行光透過率および散乱透過率の測定
・波長と温度（500°C超）に依存した放射率方向性の波長特性と温度特性（500°C超）の測定
・全半球放射率の温度特性測定
・多様なデータ出力形式に対応：ERAS形式、ASTM準拠の表形式、グラフ表示（線形／対数スケール）、単位選択（μmまたは cm⁻¹）、波長に対する反射率プロット、入射角に対する反射率プロット
SOC-100 HDR に付属する SPECTRE (SPECtral Transmittance Reflectance and Emissivity) ソフトウェアはWindowsに対応しており、検出器であるFTIRを駆動し、プロジェクト管理、データ アーカイブ、レポート生成など、データ収集のあらゆる機能を持っています。また、Thermo Scientific™ Nicolet™ iS50 FTIR に同梱されている OMNIC ソフトウェアと互換性があります。
| 測定構成 | 自動制御式18"半楕円体が分光光度計と連動し測定 |
|---|---|
| 校正方法 | 各入射角および偏光状態において、試料と校正済み鏡面金標準の測定結果を比較することで、 測定された指向性反射率の高精度な校正を実現。 |
| 光源 | 特注の加熱キャビティは、内径0.75インチの開口部から、 半楕円体が受ける立体角2π方向へ均一な光を放射します。 この開口部は、半楕円体の焦点の一つに配置されています。 キャビティの開口部を除くすべての内壁は、高性能なMin-K断熱材にて断熱されており、 ユニット全体は水冷ジャケットで囲われています。 |
| 波長範囲 | 標準仕様：2.0～25.0μm、5000～400cm-1 個体基板仕様：14.0～200.0μm、700～50cm-1 ＊採用する分光光度計に依存 |
| 分解能 | データ要件に合わせ2、4、8、16、32cm-1から採用 |
| サンプルサイズ | 標準：外径1インチ ＊サンプルマウントは最大3 x 5インチのサンプルに対応可能 |
| 自動制御測定 | 本システムは5基のステッピングモーターにより コンピューター制御された自動測定プロセスを備えており、以下の機能を実現します： ・偏光状態の切り替え（平行偏光・垂直偏光・非偏光） ・入射角の可変制御 ・試料と標準サンプルの自動切替 ・ビームブロッカー角度の調整 *光源ビームのチョッピングはFTIRの干渉鏡の動作と同期しており、 試料自身の熱放射による誤差（自己放射誤差）を排除します。 |
| 設置スペース | 幅 約2.4 m、奥行 最小約76 cmの作業台スペースが必要 Thermo Fisher iS50 FTIR、SOC-100本体、温度コントローラー、コンピューターの設置に対応 |
| 電源要件 | 120V AC／15A の回路 ×2系統 （SOC-100、Thermo Fisher iS50 FTIR、コンピューター） |
| 冷却水要件 | 0.5 GPM（約1.9 L/min）、50μフィルター処理済みの室温水 SOC-100背面に 1/4 インチ圧縮継手×2口を装備 |
| パージガス要件 | 0.5～1.0 SCFMの不活性乾燥窒素または清浄乾燥空気（CDA） FTIRおよびSOC-100背面に 1/4 インチ クイックコネクト継手を装備 |
| 動作環境温度 | 15.5 ～ 26.5℃ |
