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光学波長分解能とは

光学波長分解能 --- 半値全幅(Full Width Half Maximum:FWHM)--- は、グレーティングの刻線数(Lines/mm)と、入射光学系(入射スリット幅もしくは光ファイバ径)に依存します。分光器の仕様を決定するためには、以下2つの重要なトレードオフの関係があります。

1.波長分解能は、グレーティングの刻線数が増えれば波長分解能は向上しますが、測定可能な波長範囲は狭まり、分光器のシステム感度が落ちます。

2.スリット幅もしくは入力光ファイバのコア径が細くなれば、波長分解能は向上しますが、分光器のシステム感度は落ちます。

光学波長分解能の計算方法

1. グレーティングの測定バンド幅を決定します。 *ご選択の分光器のウェブページの「グレーティングリスト」で「測定バンド幅」を確認してください。

2. グレーティングの測定バンド幅をディテクタ素子数で割ります。その値は波長分散(nm/ 1素子)となります。

波長分散(nm/ 1素子)=グレーティングの測定バンド幅(nm) / ディテクタ素子数

下記の表は各種分光器のディテクタ素子数を記載しています。

分光器 ディテクタ素子数
OCEAN FX 2048
Flame-T, USB4000 3648
HR4000 3648
Maya2000Pro 2048
QEPro 1024

3. ピクセル分解能を決定します。

下記の表は各スリット幅によるピクセル分解能です。スリット幅は異なりますが、スリット高は全て同じです(1000 μm)。

分光器/スリット幅 5 μm 10 μm 25 μm 50 μm 100 μm 200 μm
OCEAN FX 3.0 3.2 4.2 6.5 12.0 24.0
Flame-T, USB4000 5.3 5.7 7.5 11.6 21.0 42.0
HR4000 2.0 3.7 4.4 7.4 14.0 26.8
Maya2000Pro 1.5 2.0 2.5 4.2 8.0 15.3
QE65 Pro 2.0 2.2 2.6 3.3 4.7 8.9

4. 光学波長分解能を計算します。

光学波長分解能(nm) = 波長分散(nm/1素子) × ピクセル分解能(素子)

例:グレーティング#3、スリット幅10μmのFlame-T分光器の光学波長分解能計算方法

650 nm(グレーティング#3の測定バンド幅)/3648(Flame-Tディテクタ素子数)= 0.18 nm

0.18 nm(/1素子)× 5.6ピクセル = 1.00 nm

*上記算出での光学波長分解能は参考値となります。

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